ひな祭りが近づくたびに、「そもそもの由来って何?」「飾りにはどんな意味があるんだろう?」と、娘に聞かれてうまく答えられずモヤモヤしていました。同じように感じている方も多いのではないでしょうか。でも大丈夫。ひな祭りには、知るほど心が温かくなる優しい願いが込められています。
この記事では、ひな祭りの由来や飾りの意味をわかりやすくまとめ、子どもにも伝えられる形でご紹介します。春の行事をもっと楽しむヒントとして、ぜひ役立ててください。
ひな祭りの由来とは?
女の子が生まれてから初めて迎える桃の節句。私自身、娘が生まれて初めて迎えたひな祭りの日は、「どうして飾るんだろう?」「どんな意味があるんだろう?」と疑問ばかりが浮かびました。可愛いひな人形を前にしながらも、行事の背景までしっかり理解していなかったんです。周りのママ友に聞いてみても「あまり詳しくは知らないかも」という声が多く、同じ気持ちの人が多いんだなと感じました。
ひな祭りの起源は、平安時代の「上巳(じょうし)の節句」と呼ばれる厄払いの行事。季節の変わり目は体調を崩しやすく、昔の人は“邪気が入りやすい時期”と考えていました。そのため、紙や草で作った人形に自分の厄を移し、川へ流して身を清める「流し雛」の風習が広まったとされています。
この人形を使った厄払いの風習が、のちに宮中や貴族の間で行われていた「ひいな遊び(お人形遊び)」と結びつき、だんだんと“ひな人形を飾って子どもの健康や幸せを願う行事”へと変化していきました。歴史をたどると、今のひな祭りの形になるまでに長い時間をかけて受け継がれてきたことがわかります。
私もこの話を娘に伝えたとき、「お人形が守ってくれるの?」と目を輝かせていて、親としてなんだか胸がじんわり温かくなりました。飾る行為そのものに歴史や願いが込められているのだと知ると、ひな祭りの準備もより特別な時間に感じられます。
ひな祭りは“女の子の幸せを願い続けてきた日本の優しい伝統”が形になった行事。そう思うと、毎年ひな人形を飾る時間が、ただの作業ではなく、未来への願いをそっと添える大切な儀式のように思えてきます。
ひな人形を飾る意味
ひな人形には「女の子の身代わり」として、病気やケガ、災いから守ってくれるという大切な役割があります。人形に子どもの厄を引き受けてもらうという考え方は、古くから続く日本の習わし。だからこそ、ひな人形を飾ることには“娘のこれからの人生が健やかでありますように”という親の深い願いが込められています。
実際に飾ってみると、部屋の中にふわっと明るい空気が広がり、「あ、春がくるな」と感じられる瞬間があります。私も初めて母と一緒にひな人形を飾ったとき、母が「これを出すと一年が始まった気がするんよ」と言っていた意味が、やっとわかった気がしました。
ひな人形には“季節を告げる飾り”であると同時に、“家族の節目を祝うしるし”としての意味があるんだと感じています。
お内裏様とお雛様の意味
段飾りの中央に座るのがお内裏様とお雛様。実はこのふたりは結婚式の主役を表していて、幸せに暮らす夫婦の姿として並べられています。
お内裏様は落ち着きと品格を表し、お雛様は優しさと華やかさを象徴します。この2人が並ぶ姿は、「これからの人生が穏やかで幸せなものでありますように」という願いそのもの。
娘に「このふたりはね、結婚式みたいに幸せなお祝いをしているところなんだよ」と話したら、嬉しそうに「かわいい〜!」と何度も見つめていました。こういう会話が自然と生まれるのも、ひな祭りならではだと感じます。
三人官女や五人囃子の役割
段飾りが豪華になるほど、並ぶ人形の数も増えていきますよね。三人官女、五人囃子、随身、仕丁…と続きますが、これらはすべて“お祝いの場を盛り上げる人たち”として配置されています。
-
三人官女…お雛様に仕える女性たち。優雅さや格式を象徴
-
五人囃子…お祝いの場で演奏する楽団。賑やかで和やかな雰囲気を表現
-
随身・仕丁…行列の護衛や雑務を担当し、行事が滞りなく進むように支える役割
娘から「この人たちは何をしてるの?」と聞かれたとき、ひとつずつ役割を説明すると、まるで絵本を読んでいるかのように興味を持って聞いてくれました。
段飾りは、ひとつの“結婚式の世界”を再現したミニチュアのようなもの。そこに込められた祝福の気持ちを知ると、人形たちがより生き生きと見えてきます。
ひな人形が象徴しているのは、“祝われながら人生を歩む姿”。
「あなたが幸せに歩んでいけますように」という願いが、ひとつひとつの人形にそっと込められています。
娘と一緒に飾りながら、そんな思いを共有できるのも、ひな祭りの大切な魅力のひとつだと感じています。
ひな祭りの飾りに込められた意味
ひな祭りは、ひな人形だけでなく「桃の花」「ひし餅」「菱餅」「はまぐり」など、たくさんの飾りや食べ物がセットになって“春の祝祭”が形づくられています。それぞれにしっかりとした意味があり、知れば知るほど「だから飾るんだ」と納得できるものばかりです。私は毎年、この飾りの背景を思い出しながら準備をするのですが、そのたびに娘の健やかな成長を願う気持ちが自然と深まっていきます。
桃の花
桃の花は、ひな祭りには欠かせない象徴のひとつ。
古くから「邪気を払う力がある」と言われ、厄除け・長寿の象徴として大切にされてきました。
ちょうど桃の花が咲き始める季節と重なることから、春の訪れを喜ぶ意味もあります。昔の人にとって、季節の変わり目は体調を崩しやすい時期。だからこそ、桃の花には「家庭を守ってくれる力」があると信じられていました。
私自身、毎年ひな祭りの時期に桃の枝を一束だけ買ってくるのですが、部屋に置くだけで空気がふわっと明るくなり、慌ただしい毎日の中で季節を感じる大切なきっかけになっています。
桃の花は“春と幸せを運んでくる守りの象徴”のような存在です。
ひし餅
三色のひし餅にも、それぞれしっかりした意味があります。
-
緑(よもぎ)…健康・厄除け
-
白…清らかさ・純粋さ
-
ピンク(桃色)…魔除け・生命力・春の訪れ
特にピンクは、桃の花と同様に“魔除け”を象徴しており、子どもの健やかな成長を願う強い思いが込められています。色の組み合わせには“春になるにつれて大地が芽吹き、花が咲く”という自然の循環を映しているという説もあります。
我が家でも、食卓にひし餅を並べると子どもたちが「かわいい!」と喜んでくれて、季節の行事がぐっと身近になります。行事に合わせた食材を味わうことで、自然と四季の感覚も育つように感じます。
ちらし寿司やはまぐりのお吸い物
食べ物にも縁起の良い意味が込められていて、ただの“イベントごはん”ではありません。
ちらし寿司は具材が豊富で彩りがよく、“豊かな生活・繁栄”を願う料理として昔から食べられてきました。根菜や海老など、それぞれの具材にも縁起の良さがあり、まさにお祝いの日にぴったりです。
はまぐりのお吸い物は、貝殻が対になってぴったりと合うことから“仲の良い夫婦の象徴”。未来の良縁や家庭円満を願う意味があります。
行事の由来を知らないまま料理だけ作っていた時期もありましたが、背景を知って準備すると、ひとつひとつの食材がぐっと意味を持ってくれるように感じます。
どの飾りや料理にも、女の子の幸せを願う親の静かで深い祈りが込められているのが心に響きます。
ひな祭りの飾りは、派手な装飾というよりも「子どもを守るために代々受け継がれてきた知恵と願い」。
その意味を知ることで、毎年の準備がより温かく、より特別な時間になります。
ひな人形はいつ飾る?いつ片付ける?
ひな祭りの話題になると、必ずといっていいほど出てくるのが「飾る時期」と「片付けのタイミング」。私の周りでも、「うちは早く出しすぎ?」「片付けが遅いと本当に良くないの?」と、毎年のように意見が飛び交います。行事として大切にしたいけれど、正しいタイミングとなると意外と曖昧なまま過ごしてしまいがちですよね。
結論から言うと、ひな人形の飾り方には厳密な決まりはありません。地域や家庭の風習によっても違いますし、家族の生活スタイルに合わせて無理なく続けられることのほうがずっと大切です。
とはいえ、一般的に多くの家庭が選んでいる目安がいくつかあるので、ここではその理由を少し深く見ていきます。
飾るのは2月上旬〜中旬がおすすめ
ひな人形を飾り始める時期としてよく言われるのが、立春(2月4日ごろ)を過ぎたあたりから。暦の上で春を迎えるタイミングでもあり、「季節の節目として飾る」という意味でもぴったりです。
また、冬の間は湿気や結露が多く、人形にとっても環境が厳しいことがあります。大切なひな人形を守るためにも、比較的空気が安定してくる2月上旬〜中旬にかけて飾るのが安心です。
我が家では毎年、晴れた日の午前中にゆっくりと飾るようにしています。娘も「そろそろ出す?」と楽しみにしていて、家族で準備する時間が小さなイベントのようになっています。
ひな人形は“春を迎える準備”として飾るもの。季節の区切りを家族で感じられるのも嬉しいポイントです。
片付けは「ひな祭りの後の晴れた日」
「早く片付けないと嫁に行き遅れる」という言い習わしは、昔からよく聞きますよね。実はこの言葉、迷信というよりは“湿気対策のための生活の知恵”だったと言われています。
ひな祭りの時期はまだ湿気が強い日も多く、人形を出しっぱなしにしておくとカビが生えたり劣化したりしやすいことがあります。特に布地や髪、木材の部分は湿気にとても弱いので、早めに片付けることが人形を長持ちさせる秘訣。
そのため、実際に片付けるのに適しているのは、
ひな祭り(3月3日)の後に訪れる“晴れた乾燥した日”です。
私も以前は慌てて片付けていたのですが、今は天気予報を見ながら「今週の土日、晴れた日にゆっくり片付けよう」と決めています。そのほうが気持ちにも余裕があって、丁寧にしまえて気分もラクになりました。
家庭のペースで続けることがいちばん大切
ひな人形の飾り方には正式なルールよりも、“家族が気持ちよく続けられること”が何より大切だと感じています。
忙しい家庭であれば、週末にゆっくり飾るのでももちろんOK。片付けも数日遅れたからといって何か悪いことが起こるわけではありません。
その年の気候や家の状況に合わせて、柔軟に決めていい行事。
ひな祭りが「負担」になるのではなく、家族の節目を共に祝う温かい時間であれば十分です。
私自身、「飾らなきゃ」「早く片付けなきゃ」と自分にプレッシャーをかけるより、娘と一緒に楽しむ気持ちを優先するようにしています。そのほうが、毎年のひな祭りがずっと心に残る行事になります。
ひな人形の飾り方に迷ったときは、
「春を祝う気持ち」と「家族が心地よいタイミング」
この2つを大切にしてみてください。
子どもと楽しむひな祭りのアイデア
ひな祭りは、ただ飾りを眺めるだけでなく、親子で一緒に“春を迎える準備”を楽しめる特別な行事。娘が生まれてからは、飾り付けや料理に参加してもらうようになり、「どうしてこれを飾るの?」「これ何の意味があるの?」という会話が自然と増えていきました。ひな祭りをきっかけに、家族のコミュニケーションがぐっと深まるのを感じています。
ここでは、私が実際にやってみて「これは子どもが喜んだ!」と感じたアイデアを中心にまとめました。どれも簡単に取り入れられるものばかりなので、忙しい家庭でも無理なく楽しめます。
簡単な折り紙ひな人形を作る
折り紙で作るひな人形は、子どもが自分で飾りを作れる“参加型ひな祭り”の第一歩。
材料は折り紙だけなので準備がラクで、達成感もしっかり味わえます。
-
お内裏様は青や緑
-
お雛様はピンクや赤
-
顔はペンで自由に描く
というように色や表情を子どもの好きなように決められるので、世界にひとつだけのひな人形ができあがります。
玄関やリビングに飾ると、「これ、わたしが作ったやつだよ!」と誇らしげに話してくれて、その姿を見るたびにこちらまで嬉しくなります。
子どもが作った飾りが加わるだけで、部屋全体がぐっと“家族のひな祭り仕様”に変わるのが魅力です。
飾りの意味を一緒に話す
ひな祭りは「知る楽しさ」も大きなポイント。
特に、飾りに込められた意味を話してあげると、子どもの吸収力は驚くほど強いです。
たとえば、
-
「桃の花には魔除けの力があるんだよ」
-
「ひし餅のピンクは春の元気を表しているんだよ」
と伝えるだけで、子どもの表情がぱっと明るくなります。「へぇ〜知らなかった!」と目を輝かせながら聞いてくれると、親としても説明してよかったなと感じます。
行事の背景を知ることで、ひな祭りが“飾るだけの日”ではなく、昔から続く願いや文化を親子で共有する時間へと変わります。
簡単ちらし寿司を一緒に盛りつける
料理の準備に子どもが少しでも参加できると、食卓の楽しさが一気に増します。
ちらし寿司は、並べるだけの具材を用意すれば小さなお子さんでも参加しやすいメニュー。
-
卵そぼろを散らす
-
サーモンを並べる
-
絹さやや桜でんぶで“春色”を作る
というように、子どもと一緒に色を選んで盛りつけるだけで「わぁ、きれい!」という声が上がります。写真を撮りたくなるくらい華やかになるので、家族みんなが食卓を囲む時間も自然と明るくなります。
ちらし寿司には「豊かな生活」を願う意味があり、はまぐりのお吸い物には「良縁」や「家庭円満」を願う力があると言われているので、料理の意味を話しながら作るのもおすすめです。
ひな祭りは、飾りつけや料理を通して自然に会話が生まれる行事。
子どもが成長するにつれて興味のポイントも変わるので、毎年違った楽しさがあります。
季節の行事を“家庭の思い出”に変えられるのが、ひな祭りの温かい魅力だと感じています。
まとめ|今日、ひな祭りの“意味”をひとつ子どもに伝えてみよう
ひな祭りは、女の子の健やかな成長と幸せを願って続いてきた、日本のとても温かい伝統行事です。ひな人形に込められた思い、桃の花の魔除けの力、ひし餅の色に込められた願い…どれも「子どもが元気に大きくなりますように」という親の祈りが形になったものばかり。
飾りを見て「かわいいね」と話すだけでも十分ですが、そこに少しだけ意味を添えてあげると、子どもにとってひな祭りが“特別な日”に変わります。
今日は、次の中からどれかひとつだけで大丈夫です。
-
桃の花にはどんな願いが込められているか
-
ひな人形は何を象徴しているのか
-
ひし餅の三色にどんな意味があるのか
どれでもいいので、子どもとの会話の中でそっと伝えてみてください。
その短いひとことが、
行事を“作業”ではなく“家族の思い出”に変えるきっかけになります。
そして、ひな祭りを迎えるたびに、子どもの成長を一緒に喜べる、やさしい時間が増えていくはずです。
ひな祭りが、あなたの家族にとってあたたかい節目のひとときになりますように。